これはどうだろうか?

■パズルロック

この二つの石も奇妙な形をしている。右側は「パズルロック」と海外のマニア達に呼ばれている。
http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/all/2/n/732/2N191352043EFFANBZP0715R0M1.HTML


■石の物陰から光る目

RAW画像で確認した処、左右3セット計6枚の画像の中で、一枚にだけこの光が写っていた。上の石に亀裂が見えるので、そこから差し込んだ太陽光かもしれない。
[Sweeping View of the "Columbia Hills" and Gusev Crater]
http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/press/spirit/20051222a.html

なおこれらの不思議な石の多くは、リンク集にある「The Horizon」サイト内「惑星の構造物」BBS掲示板の仲間たちが見つけてくれたものである。

さてこの石は生物だろうか?

スピリットが撮影した写真の中には、まるで生物のように見える石がある。

http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/panoramas/spirit/2005.html
1)[ Descent from the Summit of 'Husband Hill' ] 画像。
2)スピリット撮影の石。矢印部分が頭やお尻のように見える。
3)は参考として地球のカブトガニ



同じ画像から、穴の開いた推定20〜30cm大の石。
穴の開いた石は地球上でも多く、石内部のガスがそこから噴出したのが原因で大概は円い穴になる。しかし火星ではこのように三角に割れた穴を持つ石が目につく。



その横、矢印が示す所にタコみたいなものが(驚愕)!。こんなときはRAW画像で確認してみよう。

http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/all/spirit_p673.html
(上から7、8列目で計5枚) 
うーん砂の紋様かなあ。
ところでこの画像は、スピリットがハズバンド・ヒルを登りきって反対側に降りていく途中で撮られた。30億年以上前にグセフ・クレーターが浅い湖であったとすれば、ここは小さな島だった可能性がある。当時生物がいたのなら、このハズバンド・ヒルの周囲に集まっていただろう。動いている生物とまでは言わないが、化石ぐらい見つかっても不思議ではない。

スピリット



スピリットが着陸したグセフ・クレーター。ここは30億年以上前に、マーディム峡谷を通って南半球の高地から水が流れ込み、一時的に湖が存在したのではないかと考えられている場所だ。
ハズバンド・ヒルは周囲から測って約82m、着陸点からは106mほど高くなった丘。そのふもとには幅が150mのエルドラドと名付けられた場所があり、そこには暗色の砂が集積している。そしてホームプレートあたりでスピリットは車輪の不調から動けなくなり静止した。今後は定点観測機となるようだ。しかしその間スピリットは数多くの奇妙な形の石を撮影していたのである。
例えばこのような。


石の大きさはおよそ20〜40cmぐらいだろう。

オポチュニティー

オポチュニティー(以降オポと表記)は、メリディアニ平原に着陸した。ここは過去の時期に液体の水が存在したことを示唆する赤鉄鉱が豊富に分布して、かつて湖底か海辺であったことを思わせる物質の堆積層が見られる。


この砂漠のような砂が赤鉄鉱成分なのだろう。オポはここを走破しつつ、2006年7月末に Beagle crater に到着した。


■ビーグル・クレーター 1

中央がそのビーグル・クレーター。画像はグーグルアースから作製したものだが、大きく見えてもクレーターの幅は約35mなのだ。

■ビーグル・クレーター 2

http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/press/opportunity/20060913a.html
矢印で示したあたりに少し奇妙なものがある。

■ビーグル・クレーター 3


http://marsrovers.jpl.nasa.gov/gallery/all/1/p/901/1P208171070EFF74ZTP2291R2M1.HTML
蔦のようにまとわりつく砂、その中に明るい部分があるがこれは?。もしかして何らかの化石なのかもしれない。

ROVER


ご存知のように2004年1月、NASAの二台の探査車(ローバー)が相次いで火星に降り立った。グセフクレーターに「スピリット」、メリディアニ平原に「オポチュニティー」である。二台は今現在も地表を動きながら岩石を分析し写真を取り続けている。これによって火星の研究は一気に躍進した。その中でやはり不思議な写真が幾つかある。それを次から紹介していこう。

二酸化炭素の氷(ドライアイス)

ESANASAが北半球の同じクレーターを撮影している。しかも季節が違うので二酸化炭素の氷(ドライアイス)の量が大きく変化している。比較して「二酸化炭素の氷」と「H2Oの氷」について説明しよう。

■2005年2月撮影(マーズ・エクスプレス/ESA)

http://www.geoinf.fu-berlin.de/projekte/mars/hrsc209-CraterIce.php
写真はESAのMarsExpressに搭載されたハイレゾリューション・ステレオ・カメラ(HRSC)によって軌道1343間で撮影されたもの。当時はまだ名前の付けられていないクレーターだった。現在は Louth Crater と呼ばれている。 場所はおおよそ北70.5度、東103度。火星の北極付近にある。クレーターの幅が35km、最大の深さ2km。
季節は火星北半球で初夏にあたる。中央の暗い部分は砂丘である。青白い部分は氷であり、この時期このあたりの気温では二酸化炭素の氷は昇華する。「それが溶けないのは、これがH2Oの氷であるからだ」とESAが発表して世界中で話題となった。


■2006年9月撮影(リコナイサンス/NASA

Frost Patch and Dunes in a Northern Hemisphere Crater (PSP_001700_2505)
http://hirise.lpl.arizona.edu/PSP_001700_2505
撮影した月日は違っていても季節は夏である。ESAよりはるかに解像度は上がっているが、暗い砂丘や氷の形はほぼ同じ。


■2006年5月撮影(マーズ・オデッセイ/NASA

http://themis-data.asu.edu/planetview/inst/themis#/planetview/inst/themis/V19430008
この頃は「冬の終わり春の始め」といったところか。二酸化炭素の氷に全面的に覆われて、暗色の砂丘も白くなっている。


■2008年5月撮影。火星の北半球の春(リコナイサンス/NASA


Changing Frost Patterns in Louth Crater (PSP_007805_2505)
http://hirise.lpl.arizona.edu/PSP_007805_2505
季節は春の後半と思われる。画像は二酸化炭素の氷がひび割れて昇華しつつある最中だ。もう少し経てば暗色の砂丘が現れて、氷は純粋なH2Oだけになる。無論、H2Oの氷が溶けないのは北半球の気温がいつも氷点下だから。
このように季節が変化すれば二酸化炭素の氷は増減する。例えば夏になって気温が上がれば、二酸化炭素の氷は昇華して炭酸ガスとなり、その為火星の大気量が三割方増えるという。



グーグル画像。モヤのように写っているのは昇華する時の蒸気が原因かと思う。少し前に見た画像とは違うので、グーグルも定期的により良い画像に入れ替えているようだ。

火星のテラフォーミング

先日ナショナル ジオグラフィックチャンネルで「火星に住む」という番組を見た。
火星の極冠を暖め二酸化炭素の大気層と海を作り出し、更に植林して人間が住める環境にする How to テラフォーミングの面白い番組だった。しかし番組の最後の方で「数百年経てば元に戻る」とも言っていた。

考えてみればその通り。現在の火星は磁場とかマントル対流とか一番重要なものが消えてしまっている。どんなに形を整えても、それは喩えるなら、死体に化粧するようなものだろう。苦労して二酸化炭素の大気層を作っても、磁場が無いから大気は宇宙空間に少しずつ取られていく。運悪く巨大な太陽フレアが起こり、高エネルギー荷電粒子が直撃すれば大気層がどうなるか分からない。そしていつかは原料である二酸化炭素の氷、(まだ発見されていないが)炭酸塩岩も底をつく。200年かけてテラフォーミングしても、200年持たずに元に戻る可能性が高いのだ。それなら環境はそのままにしておこう。代りに巨大宇宙ステーションや、火星の地下に都市を建設した方がよほど役立つと思う。
もしかして火星にいた知的生命体もフォーミングを試して、結局思い通り行かず、表層を改善するのをあきらめたのかもしれない。
テラフォーミング
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/mars/infomation/teraform.html
■ THE 2ND HOME PLANET
http://contest.thinkquest.jp/tqj2002/50056/