火星のテラフォーミング

先日ナショナル ジオグラフィックチャンネルで「火星に住む」という番組を見た。
火星の極冠を暖め二酸化炭素の大気層と海を作り出し、更に植林して人間が住める環境にする How to テラフォーミングの面白い番組だった。しかし番組の最後の方で「数百年経てば元に戻る」とも言っていた。

考えてみればその通り。現在の火星は磁場とかマントル対流とか一番重要なものが消えてしまっている。どんなに形を整えても、それは喩えるなら、死体に化粧するようなものだろう。苦労して二酸化炭素の大気層を作っても、磁場が無いから大気は宇宙空間に少しずつ取られていく。運悪く巨大な太陽フレアが起こり、高エネルギー荷電粒子が直撃すれば大気層がどうなるか分からない。そしていつかは原料である二酸化炭素の氷、(まだ発見されていないが)炭酸塩岩も底をつく。200年かけてテラフォーミングしても、200年持たずに元に戻る可能性が高いのだ。それなら環境はそのままにしておこう。代りに巨大宇宙ステーションや、火星の地下に都市を建設した方がよほど役立つと思う。
もしかして火星にいた知的生命体もフォーミングを試して、結局思い通り行かず、表層を改善するのをあきらめたのかもしれない。
テラフォーミング
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/mars/infomation/teraform.html
■ THE 2ND HOME PLANET
http://contest.thinkquest.jp/tqj2002/50056/