信じてはいけない火星画像 -序-


数年前のある日、火星画像を見ていると不思議な場所を私は見つけた。クッキリと写った火星の小山のふもとにぼんやりとした部分がある。これは何かとんでもない物が写っていて、それをNASAがあわてて修正した確かな証拠と色めき立ったが…

実はなんのことはない。幾つか他の画像を探して見てみると、そこは「エルドラド」と名付けられた砂丘であった。JAXAのサイトには「ハズバンド・ヒルの高さは周囲から測って約82メートル、スピリットの着陸点からは106メートルほど高いところ。エルドラドの幅は150m 」と説明がある。*注)
最近でのこと。偶然見つけたとあるブログには、この場所を「火星に存在する湖」と書いてあった。うーんそれは…信じてはいけない。
そういえばそんな「信じてはいけない話」は火星に関して結構あるのだった。
ある高名な研究家は、火星着陸機(1997年)が撮影したそれを、戦車のような機械の残骸だろうと発表した。それはどう見ても20cm大の石なのに。
スピリットの画像に人魚のような人間が写っている?。その大きさは6cmというのに。
スピリットが頭蓋骨を発見した?。太古の火星人の骨ならいくら何でも風化してるのに。
ESAの衛星が撮影したヘイル・クレーターの中に火星の都市が?。残念だがそれはノイズが見せるブロックパターンだ。
一瞬凄い画像、でも調べると実はなんてことない勘違い。それを次回から紹介していこう。
注)この文章を書くときに、数値確認の為にJAXAサイトを訪れたが150mの記述は見当たらなかった。アレこちらの記憶違いか。念のためNASAのマップからざっと見、エルドラドの幅は200m以上ありそう。