NEWS: 塗り替えられる常識

最近、火星の環境について驚くべき発表が続いている。従来までの常識は次から次へと塗り替えられ、最終的に火星がどのような姿を見せるのか予想がつかない。
「わずか数千年前、火星はもっと湿気を含んだ天体だった」
米航空宇宙局(NASA) /2009年9月24日(米国時間)

NASAの火星周回探査機「Mars Reconnaissance Orbiter(MRO)」が赤道より北側の中緯度付近、5カ所に点在していた氷の状態の水を見つけた。比較的若いクレーターのそば、深さ0.5m - 2mの土中に、存在していたという。ものによってはかなり「大きく、明るい状態」ではっきりと確認できる。MROチームのスタッフはこの氷について、「わずか数千年前、火星はもっと湿気を含んだ天体だったことを示す"遺跡"のようなもの」と述べている。

火星で発見された氷のひとつ。2008年10月の画像(左)では、比較的浅い部分に埋まっているため、氷の頂が明るく輝いて見える。3カ月後の画像(右)では、ただの黒い点に変わっているが、これはおそらく水分が大気中に蒸発したためとみられる 。
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/09/25/070/index.html
マイコミジャーナル」2009/09/25より要約。
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その前年の2008年、これもかなり凄いニュース。
「火星が湿潤であった時代は、従来の推定よりも10億年延長される可能性がある」 National Geographic News
アリゾナ州にある惑星科学研究所のキャサリン・ワイツ氏が率いる研究チームは、マリネリス峡谷に隣接する平原地帯に、水流によって形成された地形を発見した。

ワイツ氏は「非常に驚いた。ヘスペリア紀(37億〜30億年前)に形成されたマリネリス峡谷の周囲の平原地帯で、このように広大な河川系が存在していたとは誰も想像していなかった。これまでヘスペリア紀の気候は乾燥していたと誰もが考えていたから」と話す。
同氏によれば「マリネリス峡谷内部の堆積地層と比較すると、隣接する平原地帯の地層は色や明るさが異なっている。別の浸食過程の歴史を持っていることが判明した。最初は、平原地帯の堆積地層は、噴火で生じた火山岩ではないかと考えた。しかし、風化せずに残って隆起した水路や峡谷との関連を考えると、河川などの水流によって形成された川底だとみなす方が適切だと判断した」という。従来の研究では、火星に液体の水が存在していた時代は、火星史の最初の10億年である46億〜35億年前のノアキス紀の間に終わったと推定されてきた。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=37055465&expand
September 26, 2008 National Geographic Newsより要約。